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12 いじめ、パワハラ

Q 職場でいじめを受けている

A まずは事実関係を把握。必要に応じて行政・司法と連携を

法律のポイント

使用者には労働者に対する安全配慮義務がある。いじめやパワハラは人格権侵害の不法行為であり、こうした行為に対しては、加害者だけでなく使用者にも民法上の責任が問われる場合がある。

解説

民法の不法行為責任

民法第709条は、故意・過失によって他人の権利・法律上保護される利益を侵害した者は損害賠償責任を負うと定めている。また民法第715条は、使用者に対して、相当の注意をしていた場合を除き、被用者が第三者に与えた場合の損害賠償責任を定めている。

ただし、どのような行為が違法性を問われるかは、一律に基準があるわけでなく、ケース・バイ・ケースで判断される。パワハラやいじめが人事権の行使を伴う形で行われている場合、判例では、以下の3つの基準をもとに、その違法性が判断されている。

業務上の必要性:業務命令が業務上の必要性に基づいていない

命令の真の目的:外見的には業務上の必要性があるようでも、その業務命令の目的が退職強要等にある

不利益の程度:その業務命令が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益(肉体的、精神的苦痛を含む)を与えること

労基契約法の安全配慮義務

労働契約法第5条は、使用者に対して、労働者が生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるよう配慮義務(安全配慮義務)を課している。したがって、使用者にはいじめ、パワハラ等の行為の防止策を講じる義務がある。これを怠った場合には、民法第415条(債務不履行時の損害賠償責任)によって、使用者は生じた損害に対する賠償責任が問われる場合がある。

対応手段

まず、状況を出来る限り詳しく記録し(いつ、どこで、誰に、何をされたか等)、証拠を確保する。次に、書面(内容証明)で加害者に対する行為の中止、使用者に対する再発防止策を求める。職場内部での解決が困難な場合は、行政の窓口(労働局、法務局)、労働委員会、仮処分、労働審判申し立てを検討する。いじめ、パワハラ等が原因で肉体的、精神的疾病を発症した場合は、労災給付の可能性があるので、診断をふまえ労働基準監督署等に相談する。

相談窓口

職場の相談窓口、労働局または労政事務所、都道府県法務局の人権擁護相談窓口、弁護士会、法テラス。

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