第2項 地域について

 必要生計費算出の手法として、財貨・サービスの購買価格の現状をより正確に反映し、生活実感に近い生計費求めることができる理論生計費「マーケット・バスケット方式」を採用することを前提としている。この手法をベースとするならば、生活に必要な品目などの価格について、地域性によるばらつきがないかを確認する必要がある。なお、兵庫県内は南北東西に拡がりのある県土であり、都市部や中山間部、日本海沿岸部など、全国の縮図のような自治体でもあるため、人口、産業、風土などにおいて多様性に富んだ地域となっている。
 そのため、「標準モデル世帯」の設定にあたっては、人口、地理的条件、賃金水準において兵庫県を代表する平均的な地域と、生計費に問題意識が持たれる地域の選定を念頭に置き、下記の層化3段抽出法により、必要生計費算出の対象地域として、明石、伊丹、丹波地域を設定する。
 
 『第1次抽出単位』
 平成22年国勢調査の兵庫県内市町別人口から、人口15万人以上の「大都市」だけで兵庫県内人口の74%を占めており、また、人口5万人以上15万人未満の「小都市」は11%を占めている。このような状況を鑑み、大都市から2市町、小都市から1市町を選定する。
 大都市…神戸、姫路、西宮、尼崎、明石、加古川、宝塚、伊丹、川西
 小都市…三田、高砂、芦屋、豊岡、三木、たつの、丹波、赤穂
 
 『第2次抽出単位』
 兵庫県は瀬戸内臨海部の東西を貫くラインと、阪神エリアから日本海へと通ずる南北ラインに人口集中地区が存している。このような地理的条件を考慮して、瀬戸内臨海部の東西ラインと阪神から但馬に抜ける南北ラインの中から地域選定を行うことで、兵庫県域全体の必要生計費を説明する妥当性が得られるものと考える。そのため、第1次抽出単位で得られた兵庫県の4分の3を占める人口構成の大都市から、異なる地理的条件を持つエリアを対象とする必要がある。
 また、ライフスタイル調査から、兵庫県の月平均賃金は29.7万円であったことから、「大都市」からは、地理的条件を考慮しつつ、この平均賃金に近似する市町とそれを下回る市町から各1市町を無作為に抽出する。また、「小都市」からは、同調査結果で他地域に比べて「収入満足感」が低かった丹波地域、淡路地域のいずれかから1市町を無作為に抽出する。
 大都市…明石市(28.6万円)、伊丹市(26.9万円)
 小都市…丹波市(24.5万円)

 『第3次抽出単位』
 第2次で抽出した市町の拠点駅から日常生活圏40分以内(国土交通省「21世紀生活圏研究会中間整理」)にあり、最も人口が集中している地区を標本調査地域として設定する。
明石市…明石市大久保町大窪
伊丹市…伊丹市池尻
丹波市…氷上地区