第2項 食費


 食費については、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によるエネルギー・栄養所要量の基準により作成された農林水産省の「食事バランスガイド」をもとにして、20代の成人男性(生活強度「ふつう」)が摂取すべき栄養素、エネルギー所要量を基準とした1週間の献立を作成した。その成人男性を基礎として、世帯構成・年齢による消費単位を計算したうえで、それぞれの標準モデル世帯の食材費を「店頭小売価格調査」「小売物価統計調査」の価格から積算していく算出法を取っている。(以降、本調査研究では原則、2010年次「小売物価統計調査」結果に基づき、分析を進めていくこととする。)
 ただし、消費者行動の特性や各世帯・年齢の状況に応じて、次の調整を行っている。
 ① ライフスタイル調査では、約6割強が特売情報をチラシなどで「頻繁に」もしくは「やや頻繁に」確認している行動がある。さらには、特売日まで買い控え等もあるとした場合、家計の中での支出ウェイトの高い食費について、原則通常価格による積算のままでは実態とのかい離が考えられる。よって、2人世帯以上の食費は特売による価格も考慮に入れることとし、毎週1回を特売日としている大手スーパーの状況と、生鮮食品の買い物頻度が週2回程度(2004年農林中央金庫調べ)であることから、月あたり買い物頻度8回中4回(2分の1回)の割合で特売品を購入するものとし、さらに総務省の2007年「全国物価統計調査」において主な食料品の通常販売と特売との価格差はおおむね0.7であったことから(図表5)、食費の調整値として0.35を乗じるものとする(特売品購入頻度0.5×価格差0.7)。

図表5 中都市(15~100万人未満)における通常価格と特売価格の価格差

② 小学生、中学生に関しては、昼に学校給食があることから、兵庫県の年間給食回数180回(小学校184回、中学校179回)を月換算した15回分は昼食の食費計算から除外する。
③ 「外食費」についてはライフスタイル調査結果では、「単身世帯」は、昼の外食費での最頻値1か月10,000円、夜の外食費の最頻値20,000円であった。そこで、「昼食」については1か月の労働日の20日間に500円/回(10,000円÷20日)の外食を20回とるとし、また、「夜食」については、週に3回程度として、1か月に12回分9,600円(800円/回)を設定する。なお、夜の外食費については合計9,600円とライフスタイル調査の最頻値20,000円の半分にも満たないが、「家計調査」の単身かつ勤労世帯で35歳未満の1か月外食費合計が19,677円であることから、昼・夜合わせた外食費を約2万円程度と設定する。
④ 2人以上世帯の外食費については、ライフスタイル調査で最頻値は昼5,000円、夜10,000円であったが、昼食は弁当購入としても内食費相当分とし、夜の外食費も、内食費のやりくりによりねん出すると想定して計上しないこととする。※友人等との交際を兼ねた外食は、後述する「自由裁量費」として計上する。
⑤ 「し好費」については、「家計調査」から「菓子類・飲料・酒類」の合計額で単身世帯7,000円、2人世帯10,000円、3人世帯12,000円、4人世帯13,000円として計算する。なお、「し好費」で栄養所要量の10%を摂取するものとして、内食費を調整する。
⑥ ライフスタイル調査では、丹波地域、西播磨地域等は神戸や東播磨等の都市部に比してやや食費が低くなっていた。地方部の特性として生鮮野菜等の価格が廉価なためとも考えられることから、内食費に関して、丹波地域は東播磨地域との価格差指数0.83(丹波地域5.33÷東播磨地域6.40)を調整値として乗ずる。

 以上の調整を行った結果、下記表のとおりの食費額となる。なお、「家計調査」の世帯人員別食費支出額にほぼ近似する結果となった(図表6)。

図表6  1か月あたり食費の試算値と「家計調査」の世帯主年齢別食費平均値比較